
子ども向けの家具や木のおもちゃの製造・販売を行う、なかよしライブラリーは、香川県三豊市にある旧財田上小学校を活用した「学校再生プロジェクト」の資金調達として自社クラウドファンディングを実施し、6月30日(火)に終了した。96人のサポーターから総額約534万円を調達し、目標額の500万円を達成。旧財田上小学校の再生が本格始動する。
木工会社だからこそできる役目を終えた学校の再生へ

「学校再生プロジェクト」は、旧財田上小学校を木工製品の製造拠点として活用するとともに、食堂・キッズルーム・貸し工房・木工体験スペースを備えた地域交流施設として整備し、子供たちや地域住民、観光客が集う新たな交流拠点を目指すもの。
少子化や人口減少を背景に、日本では毎年約450校の学校が廃校となっている。文部科学省によると、平成16年度から令和5年度までに廃校となった学校は8,850校に達し、そのうち約2,000校はいまも活用されていないという。

学校は学ぶ場所であるだけでなく、地域の歴史や思い出が積み重なる場所でもあり、役目を終えた学校が使われなくなることで、地域から人が集う場所が一つずつ失われている。そこで、なかよしライブラリーでは「学校をもう一度、地域の真ん中へ。」という思いのもと、木工会社だからこそできる学校再生に挑戦する。
なかよしライブラリーは、国産材を使用した木製玩具や子供家具を製造・販売するメーカー。創業以来、「子供たちの豊かな成長を創造する」をビジョンに掲げてきた。子供が減り、学校がなくなっていく現実を、他人事として受け止めることはできなかったという。学校は地域の象徴であり、子供たちが夢を育み、多くの人の思い出が詰まった場所。「壊すのではなく、生かしたい」という思いから、「旧財田上小学校」を取得。木工会社ならではの発想で新たな価値を創造するプロジェクトを開始した。
木のおもちゃをつくる技術を生かし、子供たちの笑い声が響き、人と人とが自然につながる学校を目指す。その第一歩として、「旧財田上小学校」の再生をスタートする。
96人の賛同を得てクラファンの目標額を達成
資金調達では、一般的なクラウドファンディングプラットフォームを利用せず、自社ホームページのみで支援を募集した。
その理由は二つあり、一つは、支援者一人ひとりとの距離を近く保ち、プロジェクトの進捗や思いを直接届けたいと考えたこと。もう一つは、支援金をできる限り施設整備に充てたいと考えたためだという。
約1か月間にわたり、ブログやSNSを通じて現場の様子やプロジェクトへの思いを発信し続けた結果、96人の賛同を得、約534万円という目標を超える支援につながった。同社では数字以上に、多くの人が「学校を未来へ残したい」という思いに共感してくれたことを何よりの成果だと受け止めている。

支援金は、旧財田上小学校の改装費として活用する予定だ。整備予定の内容は、子供が安心して遊べるキッズルーム、社員をはじめ地域住民や来訪者が利用できる食堂、木工体験やワークショップを開催するイベントスペース、誰でも利用できる貸し工房など。
さらに支援者の名前を刻むエントランスプレート・教室プレート制作や、地域イベント・木育プログラムも開催する。
7月より工事を開始し、支援者プレート制作や夏休みワークショップの準備を行う。8月には、親子向け木工ワークショップ・夏休みイベントを開催し、9月に食堂・キッズルームが完成予定。
10月に支援者ネームプレート・教室プレートを設置し、11月に貸し工房オープン、施設内イベントを開始予定。12月に三豊市との連携事業を開始し、木製玩具の貸し出し開始を予定している。
人が集まる場所、人と人とのつながりをつくる

なかよしライブラリーの濱田創代表取締役は、次のようにコメントを寄せた。
「クラウドファンディングはゴールではなく、ここからが本当のスタートです。96名の皆様からお預かりした534万円には、それぞれの期待や地域への想いが込められています。私たちは木工会社です。木でものをつくりますが、本当につくりたいのは、人が集まる場所であり、人と人とのつながりです。子供たちが木と触れ合い、地域の皆さんが自然と集まり、新しい思い出をつくれる学校へ育てていきます。全国では今も多くの学校が役目を終えています。このプロジェクトが、廃校活用や地域創生の新しい可能性を示す一つのモデルとなれば幸いです」
廃校を活用した木工会社の新たな取り組みに注目だ。
学校再生プロジェクトレポート:https://wooden-toy.net/blogs/nakayoshiday/crowdfunding_report9
なかよしライブラリーHP:https://wooden-toy.net
(ASANO)